第15回 LTVが計算出来ない新米起業家はどうすればいいのか?
物語の力で一歩先ゆくWEBマーケティング講座
起業家たるもの最低限の数字には強くなろうということで、
15回目の今回は「LTV」について解説していきます。
LTVとは顧客生涯価値と言われてるものです。
これはマーケティングをしていく上で、
収益モデル構築の基本的な考え方になるので、
まずは覚えていただきたいことをお伝えします。
そして実際にどうやって活用するかについても触れていきます。
そして来週になりますが、
そのLTVを求めていく中で必然的に必要となる
商品ラインアップについてもお話をしていきます。
では始めていきます。
まず覚えていただきたい基本的なこととして、
LTVにはリピート購入など、複数回の購入をしてもらう
前提があることを覚えておいてください。
ビジネスをしている側としては、
最もコストのかかる新規顧客の獲得コストを
どうやってより多くの収益に結びつけるのかを
考えるかが大切です。
そこで一度買っていただいたお客様に
次の商品やサービスを提供していくのが、
コストの面でもこちらへの信頼度にしても、
新規顧客よりも有利なことを活かしていくのです。
マーケティング用語として言われている、
アップセルやクロスセルというのがこれにあたります。
ぶっちゃけて言うと、より多くの商品やサービスを
買っていただくってわけです。
では改めてLTVの解説をしていきます。
LTVとは顧客が生涯(といっても一定期間を設定することが一般的)
にわたってどれくらいの利益をもたらせてくれるかを表した数字です。
つまり企業から見ればLTVの大きな顧客ほど
儲けをもたらしてもらえるお得意様といえます。
計算式:
LTV=平均購買単価×購買頻度×継続購買期間
健康食品を販売している場合を例に考えます。
今までの平均が3,000円分の商品を毎月1点、
平均して1年間に渡って購入して頂けていたとしたら、
1年間のLTVは3,000円×1×12=36,000円です。
ではこれをどう使うかについてお話しします。
この顧客が1年間で平均36000円程度の
購入をしてもらえている場合、
新規でお客様を獲得するのにかけられる広告費が算出できます。
原価を無視してお話しすると、
仮に利益を50%得たいと思ったとしたら36000円の半分、
つまり18000円まではかけられるということです。
もしLTVという考え方をしなかった場合は
初回購入3,000円以内に広告費を抑えないと
儲からないとなります。
ですが今までの実績を見た時に、
1年間で36000円の購入を見込めるはずのお客様を
あまり増やせないということになり、
事業の拡大が進まないことになります。
とここまでが一般的に話が出てくるLTVです。
ここで疑問を持たれる方もいるのではないでしょうか?
それはこれから事業を始める場合、
「いったいいくらの広告費をかければいいか分からないのでは?」
という疑問です。
それは正しい疑問です。
これまでのLTVの解説はすべて事業を行っている場合を
前提に話を進めています。
しかし初めて起業された方や新規事業を立ち上げた場合は
既存客さんがいませんから、平均購買金額も出ません。
そのため購買頻度も分かりません。
もちろん購買を継続していただける期間も分かりません。
何しろお客様がいませんからね。
そこでお伝えしたいのがフェルミ推定です。
ところでフェルミ推定というのはご存知ですか?
書籍が多く出版されているのでご存知かもしれませんね。
例えばこういう感じです。
今から2分で次の問題の答えを導いてください。
「今日現在、日本に存在する電柱の本数は?」
ただしネットで調べるのは無しです。
2分で答えを導いてください。
地頭力というタイトルの書籍で取り上げられている
問題解決の方法論です。
といっても本質的にはとてもシンプルで、
自分で立てた計算式がより正しいと思える結果を
導いているかを検証するものです。
つまり先の問題にある「電柱の本数を正解したかどうか」より、
正解を導くためにどんな計算をしたかにポイントがあると思います。
先の例だとこういった計算をしてみるのも
ありではないかと考えています。
日本の道の長さ×電柱が立てられている割合×電柱の平均の間隔=電柱の本数
60,000km(60,000,000m)×60%×200m(0.2km)=7,200,000本
本当に当てずっぽうな上、追加での調査をしていないので
その点はご了承していただくとして、
この計算の立て方自体が理にかなっているかどうかを
検証していくこそが大切ではないかと言いたかったのです。
なぜこの話が出てきたかというと、
ビジネスでの数値を計算する時には一般的に使われている
公式や方程式があてにならないからです。
自分が仮に考えてみた計算式がどんな結果を出すかを見てから、
どの数値を変更させれば結果がどう変わるかを見極めることで
求める成果に近づいていいこうというのです。
このフェルミ推定のような型にはまらない方法を
使えるかどうかで臨機応変な対応が出来るかどうかが
決まってくると思います。
では今日はこの辺で。
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